2023年の年末の話です。
今更kayo感があるネタですが、今更勝手に追及させていただきます。
私はクリスマスケーキなんか食べないのでどうでもいいんですけどね(・∀・)
じゃなかった。それではステークホルダー毎に分析していきましょう。
高島屋のケーキ破損問題とは
まずはTL;DRですが、
高島屋ケーキ破損問題とは、2023年年末のクリスマスに発生した大手デパートが販売したケーキが発端の一連の騒動です。
問題のケーキですが、クリスマスイベント用豪華仕様になっているやつで、
一般的にはいちごやブルーベリーなどのフルーツがたくさん乗っているデコレーションケーキです。
上記は実際の高島屋のケーキではありませんが、おおかたイメージはこのようなケーキの事です。
このケーキがぐちゃぐちゃになって配達されてきた~😭💦というのが今回の問題です。
これはちょっとひどいですね。
このクレームが実際に800件以上あったそうです。
それで原因が製造業者にあるのか、配達業者にあるのか、どうなんだいというのが論点です。
全国ニュースで報道された内容ではなんかクレーム対応してるシェフの方がいましたね。
作ったのは製造工場なのに、クレームはこのケーキをデザインしたレストランに入ると、そういった事でしょうか。
あれが全てではないのでしょうが、それでもフロントで対応されるのはケーキをデザインした人ってのはなんかただのいちゃもんって感じもしないでしょうか。
エンドユーザーは目に見える部分に対してしか疑えないのは確かで、それが余計にこの問題を複雑化させている要因になっている気がします。
そもそもこのようなケーキを宅配業者を使って受け取るのが何というか、イレギュラーじゃないでしょうか。
遠いとか?
事情は実はよく知りません(笑)
ヤマト運輸側に問題はなかったか
ヤマト宅配便で冷蔵食品を送るには?
基本的にクール便を使います。
冷蔵・冷凍ものは通常の宅配便では送れません。
宅配便は一般的に食品は取り扱わず、衣類や電化製品、DIYなどの木材など家具類などで利用されます。
これは他の郵便局や佐川でも同じかなと思います。
今回のクリスマスケーキはクール便じゃなかったのでしょうか?
クール宅急便でも営業所などで積み込み時に冷凍じゃない場所に一時的に置かれる事もあり、完全冷蔵商品は予め冷凍状態になっているか、保冷剤などを含んだ状態でないものでないと現実的に利用することはできないと思います。
ヤマト運輸ではデコレーションケーキは配送できない
今回の問題でデコレーションケーキが崩れた~といった意見がある中重要になってくるのが、
「ヤマト宅急便(クール便込み)ではデコレーションケーキは配送できない」
というルールです。
今回の高島屋はヤマト宅急便が配送業者として物流業務を委託しているので、そうなると高島屋のデコレーションケーキは配送できない事になります。
つまり自分で取りに行ってねって事、テイクアウトで入手するしかないという事です。
ヤマト運輸の営業所で荷物は乱暴に扱われる?
これは実際には運送屋ならどこでもそうです。
運送業全体に蔓延る問題です。
私も大昔にYahoo!オークションで落札した陶器を割れた状態で配送された事がありました。
しかし、それは仕方のないことなのです。
みなさんは今運送業界全体に浸透している人材不足問題についてご存知でしょうか。
ぶっちゃけ我々にしても、仕事で扱ってる箱などを一個一個全部丁寧に扱いますか?という話になってくると思います。
数百から数千ある配達物の中からどれがケーキなのか分かるはずもなく、はたまた全ての配達物を慎重に扱うような時間があるわけでもないです。
そんな事をしたら時間指定や日付指定をしている荷物の宅配が間に合わず、クレームが殺到する事でしょう。
そんな環境で形を崩さずにデコレーションケーキを家庭まで宅配するのはほぼ困難。
更に私が気になったのは、既にヤマト運輸では従業員数が異常に減っており、更に残業規制や受け取り宅不在による持ち帰りが多いという現状です。
こんな状態で更に年末にイベント関連の配達物が臨時で増えても、従業員はクリスマス要員などいるわけもないので、当然ながらキャパシティーは超えるでしょう。
あと、Twitter等に「高島屋クリスマスケーキ被害者の会」という謎ワードで数多く同件の内容がシェアされていましたが、これらを見るとなんか違和感を覚えます…
なんか厳重梱包されてなくね?(´;ω;`)
そう思ったのは私だけでしょうか…?
装備なしでモンスター狩りに出発したハンターが見るも無残に打ちのめされたみたい(´・ω・`)
これは配送屋を使う以前に、商品の梱包がだめなのではないでしょうか?
普通こういうケーキなら筒状のカバー?というか周囲の崩れを防止する受けとかしないでしょうか。
これじゃまるで店舗受け取り用のケーキと同じ状態な気しかしません。
この安直っぷりで配送者が一方的に悪いように言われるのはお門違いかもしれません。
別の意味でヤマト宅急便は問題がありそうですが…😅
2024年問題で更に追い込まれる運送業界・・・
2024年度になって、年間残業時間が960時間に制限されました。
これは配送状況によって労働時間が決まるトラックドライバーにとって大問題でした。
人材がいない。
トラックがない。
時間内に目的地までたどり着けない。
この三重苦で巻き起こる二次災害は、我々消費者が関わる部分での影響です。
スーパーに商品が届かない。
ターミナルにトラックが来ない、出荷予定がスライドし工場が稼働できない。
長時間トラックドライバーの運送で時間制限があるという事は、休憩時間がなくなる。それは疲労が蓄積され、事故を起こす可能性が高くなってしまうという事。
荷物が届いたターミナルでは、時間ぎりぎりになった仕分け作業が追い付かず怒号が飛び交い、荷物は平然と宙を舞い、『天地無用』ラベルは地面とがっちゃんこして見えなくなる…
労働時間が減り、給料が減り、生活できなくなり、過酷な環境で睡眠時間が減り、最終的に社員が減っていきます。
下手をすると過労●が待っているような…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
Amazonとか送料無料でビジネス展開している大手ですが、送料が無料という事は宅配ドライバーさんたちの給料はどこから出てくるんでしょうか?
謎でしかない。
こうして業界全体の崩壊が静かに始まっていくのでした…
ケーキ製造業者側に問題はなかったか
ケーキを製造している工場
埼玉県にある工場のようです。
「ウィンズアーク」
お菓子などを製造する工場のようですね。
特段、違和感もないよくある食品製造業です。
今回の問題が発生した要因(と思われるもの)
まずケーキの構造が複雑で、大量に生産するとなると時間が掛かり、上級レベルの繊細な作業が求められます。
この会社ではパート勤務や派遣労働者なども勤務していて、この手の難易度が高いデコレーションケーキを制作するのはそう簡単な事ではないでしょう。
そうなって来ると、やはりここでも時間や心の余裕はなくなってきます。
今回、本来冷凍保存する期間を2週間から、25時間ほどに短縮したという。
それはデコレーションの素材の入荷が遅れたためであるとしています。
入荷が遅延という事は、ここでもトラックの輸送の問題があった可能性がありますが、それでもウィンズアーク工場内で実施した日次冷凍検査では冷凍された状態だったそう。
そうなると製造工程の段階で崩れていた??
もしくは冷凍の状態検査が甘かったのか。
真相は分からないですね。
疑惑?
一つ気になったのは、ニュースで記者の取材でウィンズアークに訪問した際の対応が角のとがったコメントをされていました。
あくまで全責任は「高島屋」にあるので、うちに聞かれても分からない(うちに聞くな)とも。
あと実際に製造したこの受注ケーキの個数は2900個だったようです。
そもそもそんな数作れるの?と思いましたがどうなんでしょうね?
そんな数を作るとなると数十人で2ヶ月くらい掛かりそうですけど。
実際何名で製造を担当されていたのかまでは調べれませんでした。
問題あると認識しておきながら、それを隠ぺいして営業を続けている青い看板の会社みたいになっていなければいいですが…
高島屋側に問題はなかったか
高島屋は今回の件においては販売業者です。
ウェブサイトで受注販売を対応したようです。
その数はおよそ2900個。
すごい人気ですね!
高島屋については、販売事業自体を請け負っているだけで、ケーキ自体の製造やデザイン、配送などは担当していないという事で、あまりトラブルの原因として直接は関係しないのではないでしょうか。
謝罪文は実際に会見を開かれたほか、公式HPにも掲載されていました。
ケーキ監修側に問題はなかったか
問題のクリスマスケーキを監修したのは、横浜市にあるフランス料理店「レ・サンス」の渡辺健善オーナーシェフという方です。
この方もケーキを実際に作って何度も配送する想定で検証をされていたため、(揺らしたり箱に衝撃を与えたりして)正直このケーキの設計の段階に問題は見受けられません。
やはりケーキがぐちゃぐちゃになった原因は製造元、または配達業者が直接的な要因となってしまいます。
それにしても美味しそうなケーキですね(#^.^#)♡
私は生クリームを好き好んで食べませんのでケーキ自体あまり食べないのですが、これは一口食べてみたいです。
私がこの件に関して一番言いたかったことについて
製造コストと信頼コストの比重
これは大きな問題です。
社会問題と言ってもいいでしょう。
人件費は会社経営にとって最も大きな運営費であり、人間が会社を作っている以上やはり従業員は宝です。
会社を動かすギアですね。
従業員の品質は会社の品質です。
従業員の民度は会社の民度です。
それを認識している前提で会社は成り立っているので、その関係性が崩れてしまうと会社としての信頼や信用に大きく影響してしまいます。
たちまち崩れ去ったものは簡単には取り戻せないです。
世の中、作るのは多くの時間を使いますが、壊すのは一瞬でできるからです。
製造コストを削減するという事は、それを一番簡単に実現するのは給与を下げたり、人員整理などをする事です。
人がいなくなれば当然会社としての稼働率は低下してしまうし、それまで安定していた基盤はバランスが悪くなります。
また最近では、日本人以外の労働者も増えてきており、工程マニュアルはあってもそれが上手く伝わっていなかったり、業務内容を理解しないまま見切り発車で製造を行ってしまう事もあります。
問題は発生してから対応するのでは遅く、予測して未然に防ぐ事に大きな意味があります。
リスク・マネジメントは非常に大事です。
製造コストの投資を怠ると会社としての信頼は下がってしまうのです。
製造コストとは、言い換えれば信頼コストなのです。
低賃金労働者の不満
昨今、物価高騰が大きくメディアでも取り上げられ、我々もその余波を全身で受けている状況です。
皆さんは収入が上がっているでしょうか?
政府が行っている事で、「還元」に該当する部分は万人に果たして届いているでしょうか。
物価だけが一方的に上がり、労働賃金は上がらない。
この状況は非常にまずいです。
これは経済全体のギアの回転率が徐々に停滞に向かっている事を示すものです。
そしてその結果は人口減少を辿っている日本においても、一向に年金機構が機能不全から脱却できない問題で如実に表れています。
これを解消するために考えられるのは、
- 最低賃金額の引き上げ
- 労働市場の規制、労働者の能力改革
- 金融関係のインフレ管理政策
- 学校教育の仕組みの見直し
などが挙げられると思いますが、これらは段階的に一部分ずつやってもダメです。
その流れが今の政権です。
例によって労働市場の規制は2024年問題に起因する働き方改革関連法の改正で変わった残業時間規制がそれです。
そしてそのしわ寄せを喰らっているのがバスやトラックなどの長距離ドライバーです。
彼らは労働時間制で給与が決まるため、時間外労働時間が減ると給与が減ってしまい、その余波を全面に受けています。
貯蓄があれば、日々の生活はなんとかなりますが、貯金も無限ではないですし、その後は親族や身内の協力者に頼る事になります。
その親族が年金受給者なら、最終的にどうしようもなくなるのは一体誰でしょうか。
それが貧困層の格差問題の正体です。
現代は満車駐車場をさまよう子連れ狼が蔓延った世界
最終的な選択権は国民にある。
それは例えば基本的人権、選挙権、義務教育権などです。
しかし国民の多くはその選択権を自由に使う方法を知りません。
それは、権利を自由に使う方法を国が教えないからです。
力を持っているのは情報の動きに乗っている人々です。
しかしそんな人は全体の数パーセントしかいません。
国民の平均年収はおよそ450万円ですが、中央値はおよそ395万円です。
それはこの国に低所得層が多い事を意味している証拠です。
ヤマト宅急便で従業員が少ない一方で、働く場所がなく求人紹介サービスに通い続ける人たちが多くいます。
今この国に求められている事は何でしょうか?
そこを真剣に考えた時、見えてくる答えが今我々に必要な事です。
そういった取組みを先導して行う主導者になれそうな人が今の政治家にいるとは思えませんが、そのような人が国の頭に立たない限り、この国に繁栄はないでしょう。
他国の支援をする前に、自国の支援をしないと。
まだ正月に発生した石川県の巨大地震の被災地には壊れた建物がたくさんあります。
それらはいつになったら元通りになりますか?
私は、雨の中コンビニの店外に項垂れて座っている少女に傘使いますか?と言った事があります。
その少女は立ち上がる気力をやっとの思いで振り絞っていて、家に帰れない事情があるようでした。
私は小銭を少女に渡して去る事しかできませんでした。
しかし少女を本当に救わないといけないのは国であり、根本的な解決策も全て政府が方針を示すのが純理だと思います。
あの時の少女は今気軽に笑ったりできているでしょうか。
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